高はしがくしゅう塾ブログ

塾長のブログです

印刷機が教師から言葉を奪った

当塾でも使っているが、リソグラフという印刷機は大変便利なものである。安く、早く、そして簡単に多量の印刷物を作ることができる。昔はガリ版印刷で手作りだったから、製作に時間がかかり、大変だった。だが、あの鉄筆で文字を書くときの、カリカリという音は、今考えると何とも言えないいい音だった。仕事をしているという実感があった。そこには昭和の人間くさいよき時代があった。

さて、今である。簡単に作れるので、生徒の学習用のプリントは異常なほどに多い。全部こなすのはむずかしい。解答も配布される。宿題などはうつす生徒も多いのではないだろうか。私は、問題を解くのが教育だとは思わない。それは教育の一部である。大切なことは、授業で先生が生徒たちに語ることである。内容は何でもよい。自分の体験したこと、簡単な人生哲学など、自分の言葉で語ってほしいのである。刺激を受けた生徒たちの世界は確実に広がり、自分の足で次のステップへと歩き出す。そこに教育の大きな役割があり、教える者の醍醐味もまた、そこにあると思うのだが、どうだろう。先生がただプリントを配り、生徒は静かに問題に取り組む。表面はよさそうだが、そこにはコミュニケーションがないのだから、果実も実るまい。

先生よ、がんばれ、熱く思いを語れ、である。